ヘンリー・ナウエンの著作の中に、『イエスの示す道―受難節の黙想』(聖公会出版)という本があります。四旬節の間、黙想の糧になるお奨めの本です。今日、四旬節第4金曜日の彼の黙想の一部をご紹介しましょう。
「イエス・キリストとの交わりとは、できるだけ多くの苦しみを引き受けることではなく、イエスと共に、恐れないで神の愛に耳を傾けることに身をささげることなのです。
苦しみを“神のみ心”という言葉で、しばしば説明したくなります。これは、怒りや不満を呼び起こすこともありますし、正しくもありません。“神のみ心”とは、不幸な状況に貼るラベルではありません。神は痛みではなく喜びを、戦争ではなく平和を、苦しみではなく癒しをもたらそうとしておられます。ですから、何でも神のみ心だと決めつけないで、痛みや苦しみの最中にあっても、愛の神の存在をどこに見出すことができるか、進んで自分自身に問わなければなりません。・・・中略・・・
イエスはご自分がなさったように、わたしたちを神に従わせるために来られました。ご自身が受けたと同じ親しい交わりを持てるよう、わたしたちを父なる神のもとに導きたいと願われたのです。イエスを通して、わたしたちが神の娘や息子となって、愛に満ちた父に全信頼と服従をもって聞き従うよう呼びかけられていることに気づくと、わたしたちも、イエスご自身と同じように、憐れみ深くなる道に招かれていることが分かるでしょう」。
M.M.Joseph
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