イエスは「大勢の群衆を見て、飼い主のいない羊のような有様を深く憐れみ、いろいろと教え始められた」(マルコ6.34)。
イエスの御心の最大の特徴は憐れみです。このイエスの憐れみは何よりも救いの業に明白に表されました。神に対する人間の基本姿勢は、常に神の憐れみを願うことです。ミサ典礼において憐れみを願う祈りが溢れているのはそのためです。「主よ憐れみたまえ」、「全能の神が私達を憐れみ罪を赦し…」、「父の右の座に坐したもう主よ、われらを憐れみたまえ」、「あなたの憐れみに支えられ罪から解放されて…」、「神の小羊、世の罪を除きたもう主よ、われらを憐れみたまえ」。
憐れみ深いということは換言すれば、他者への愛であり、赦しの心です。私達もイエスの御心の模範に倣い、愛の基盤である「憐れみの心」を持つように心掛けましょう。「神は人を憐れむ者を憐れみ、人に憐れみの心を持たない者を憐れまない」(シラ28.2-4)。
坂梨四郎
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