“あなたがたは神と富とに仕えることはできない”と言ったイエスに対して、金に執着するファリサイ派の人々は彼をあざ笑った。当時のユダヤでは、金持ちであれば善い人だという考え方があった。ファリサイ派の人々は、善行を見せびらかして、物質的に豊かになることは善行の報いであると考えていた。だから、イエスが“神と富とに仕えることはできない”と言ったのは、そのような考え方を批判するものだったし、ファリサイ派の人々にとっては笑止千万な話であった。
福音書でよく書かれているように、ここでもイエスは多くの人が常識だと思っていることに対してその本質的な盲点をついて、わたしたちの目を新たな方向へ向けてくれる。
“人に尊ばれるものは、神には忌み嫌われるものだ”
この世の評価はうつろいやすいもの。人に評価されずとも神に喜ばれることを最上の喜びとしたい。
北川純二
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