「お返し」がこの箇所の一つのテーマです。私たちは人にお金やものを貸したり、食事に招待したりするときには、大概、「お返し」を期待しています。もちろんそうでない場合もあります。「お返し」を期待することは悪いことではありません。懸念されることは「お返し」が人間関係の軸になるとしたら、「お返し」することのできない人との付き合いが難しくなるし、同じ隣人であるのに「お返し」できる人とできない人との付き合い方が違ってくるというおかしなことが起こってきます。イエスさまの言われた「隣人を自分のように愛しなさい」ということばを実現することが困難になります。
イエスさまは、あえて「お返し」できない人を宴会に招待するように勧めます。それは人が「お返し」してくれなくても、神様が報いてくださるからだと言われます。このことばから神様は「お返し」できない人を大切にしていること、神様が大切にしている人を大切にする人をまた神様は大切にしてくださることがわかります。
私たちは人から大切されたいと思っています。さらに神様からも大切にされたいと思っています。今日の福音書はみなから大切にされたいと思う人は大切にされていない人を大切にすることから始める必要があることを教えてくれています。
T.K
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