イエスの話された喩えは幾つかあるが、その中で間違いなく人の心を打つ喩えがある。良いサマリア人の話し、失われた息子の話、失われた羊の話。この喩えが明かす神の愛と赦す心は全ての人を感動させる。きょうの福音のタラントンの喩えも、その一つである。外の闇に投げ出されて泣き叫ぶ、役立たずとされた僕は、実は1タラントンも与えられていたのである。それは当時の一般労働者の20年分にあたる賃金なのだ。彼は決して軽んじられていたわけではない。十二分の力が与えられていた。だから厳しく責任を問われたのである。
私たちは神から出て神に帰る旅をしている。旅に必要なものは全て与えられている、とこの喩えは云っている。他人を見て羨ましく思ってはならない。それよりも自分が何を頂いているかを調べてみよう。そこに計り知れない神の恵みと導きを、きっと見出すだろう。神に感謝!
村上康助sdb
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