「種を蒔く人」の喩えは、いつ読んでも、何回読んでも、よく考えさせられる喩え話ですね。せっかく蒔かれる種ではありますが、道端や石地や、茨の中に落ちたりして、結局よい土の上に落ちることができるものは少なく、百倍にもなるものも少ない・・・。だとすると、多くの実が結ばれるようにするためには、どうしたらいいのでしょうか。
種を蒔く人は、どこに種を蒔くかにもっと気をつけるべきだ、とも言えますが、たぶん第一の秘訣は、もっと多くの種を蒔く、というところにあるのではないかと思います。
毎日の生活の中で私たちが行う、励みの言葉、正直な微笑み、人のための苦労、模範になる勤勉さ、円満な人間関係など、それらの態度そのものが、私たちの蒔いている種です。その種はどこに落ちているのかよくわかりませんが、その種の量が多ければ多いほど、それだけ百倍になるものが増えることはまちがいない・・・・それは疑いもなく、確実なことだと、そう思います。
Achille Loro Piana
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