マタイが伝えるイエスの誕生の次第には、ルカのようなドラマチックな描写はありませんが、いくつかのポイントを力強く伝えています。そのひとつは「インマヌエル」です。「神は我々と共におられる」という意味ですが、イエスが生まれる前も常に神はイスラエルの民と共におられました。それは今日の箇所に先行するイエスの系図にはっきり示されています。
しかしながら、共におられる神と人間の関係はイエスの到来によって全く新しい局面を迎えます。今や神は神としてだけではなく、「人」として私たちと共に住まわれるのです。それも「永遠に」です。イエスは永遠に私たちと同じ人間でありつづけてくださるのです。マタイ福音書の最後は次のように結ばれています。「私は世の終わりまでいつもあなたたちと共にいる。」
神と人とのつながりを壊してしまうものが一つあります。罪です。人は罪によって神とのつながりを失ってしまいました。ところが神はイエスのうちにこのつながりを回復してくださいました。「この子は自分の民を罪から救う」と聖書が語るとおりです。神は私たちの罪を取り除き、いつまでも共にいることを実現するために神の身分を捨てて人となって苦しむことをためらうことはありませんでした。私たちも精一杯の応答をするように呼ばれています。罪を避け、神と共にいることを選ぶようにと。共にいることは愛することの表現です。神の愛と人の愛が出会うところはただひとつーイエス・キリストです。
DAISUKE
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