今日の福音で、イエスは、「人を殺したら裁きを受ける」と言われているのだけれども、兄弟に「馬鹿」と言う者、「愚か者」と言う者も同じなんだと言っています。私たちは、罪や間違いを犯してしまった人を裁いてしまうのですが、そういった場合、たいてい、自分は正しい人間だという自己認識の上に立っています。しかしイエスは、「人を裁く前に自分をよく見なさい。あなたも兄弟を傷つけているではないか。あなたに人を裁くことができるのか」と言っているのです。
また、イエスは、「祭壇に供え物を捧げるという崇高な行為を行なう前にやるべきことがある。それは兄弟と仲直りをすることだ」と言っています。つまり「自分のことを置いておいて崇高な行為をしても意味がない、それはただの形だけだ」というわけです。
私たちにとって大切なこと、それは「自分を振りかえり、自分を知る」ということです。自分の弱さや自分の中にある偏見、また、自分の本音を知り、それと向き合わなければなりません。そうでないと私たちはただの偽善者、口先だけの人間になってしまいます。
Tsujiie sdb
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