最初にサドカイ派の焦点に合ってみましょう。サドカイ派に属する人々は裕福で立派な教育を受けていました。当時の宗教的勢力によって民衆に影響を及ばすグループでした。彼らは旧約のモーセ五書だけを受け入れ、預言書をなおざりにしてしまった。それでありながら彼らは神の言葉を真剣にとっていました。特に霊的現実に関して、的外れの理解をしていました。彼らは、死後の生命を本当に信じていませんでした。つまり、彼らは死人のよみがえり、天使、悪霊を否定していました。
サドカイ派の人々がイエスに対して尊大であり、軽蔑的であったのも無理はありません。イエスは貧しい家庭の出身で、死者のよみがえりをあちこちで語っていたからです。イエスの教え馬鹿にする為に、彼らは難問をふっかけてイエスを黙らせ、二度と語る事ができないようにしようと試みました。死後の生命の話を持ち出したとき、彼らはイエスを嘲笑する為にそうしたのです。亡くなった人の名を後世に残すことを目的としたモーセの律法に従って、七人の兄弟の嫁になった女性は、復活のとき、その女性は誰の妻になるのでしょうかと尋ねました。明らかに彼女は彼らの全員の妻になることはできません。
イエスは結婚についての彼らの周到だが限界のある見方を受け入れ、天国についての彼らの考え方を広げようとなさいました。天国では人間関係はどのようなものでしょうか。イエスは、「死者の中から復活する時には、めとることも嫁ぐこともなく、天使のようになるのだ」(Mt12,25)と答えられました。死から解放され、新しい人間となった者は、この世の人と同じようにめとったり、嫁いだりしない。つまり、次の世は、この世の単なる延長ではなく、全く新しい世界であり、結婚生活はなくなると言う事です。正し、男性、女性という区別は残ります。神は人間として男性と女性をおつくりになったからです。
Fr.Tadeusz
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