今日のみ言葉

今日の『み言葉』(聖書朗読箇所)をよく噛んで、
ゆっくり味わいながら頂くように致しましょう。
『み言葉』はリンク先「今週の聖書朗読」で読むことが出来ます。
どうぞご利用下さい。
2012/11/03    年間第30土曜日 フィリピ 1/18b-26 ルカ 14/1,7-11
 
 招待を受けた客が上席を選ぶこと、上席を好むことがここでは問題となっています。招待を受けた客が誰なのかが書かれていませんが、他の箇所で、イエスがファリサイ派の人に食事に招かれたときに、ファリサイ派の人たちが上席を好むことを非難していることから、この箇所もファリサイ派の人々だったと考えられます。
 
 なぜファリサイ派の人々が上席を好むのかということですが、やはり自分のことを認めさせたい、自分と他の人たちとは違うということを明らかにしたいという気持ちのあらわれと見るのが自然だと思われます。そもそもファリサイという言葉は「分離した者」という意味で、律法を守らぬ人間と自らを分離するという意味合いがあるとされています。ファリサイ派と名乗る段階ですでに自分は他のものとは違うという意識があるのです。
 
 自分は他のものとは分離された者、区別された特別な者であるということを自分からまず主張し、他人にそれを認めさせることで特別な者となるのか、他人から「あの人は特別な人だ」と認められてはじめて特別な者となるのかの違いがあります。問題なのは、自分から特別な者であることを主張しないと特別なものとなれない現実なのではないかと思います。洗礼者ヨハネの場合は自分から主張しなくても人々は彼の様子を見て、彼が来るべきメシアではないかと思ったと福音書にあります。『論語』(学而第一)に「巧言令色鮮し仁」という言葉があります。「言葉を巧みにし、外貌を飾って人を悦ばせようとすると、己の本心の徳がなくなってしまう」という意味です。ことさら外見を飾るのは中身が外見に劣っているからだということです。洗礼者ヨハネを見た人々は彼が中身のある人だと気づいたことになります。ファリサイ派の人々は中身のないこと、徳や指導力など民の指導者としての資質に欠けていることが問題なのでしょう。
 
 人間として、キリスト者として中身のある者に成長することを願いたいと思います。
 
T.K
 

前のページ 目次 次のページ
ホーム  今日のみ言葉  週日の福音朗読  主日の福音朗読(A年)  主日の福音朗読(B年)  祝祭日等 固有の福音朗読  神の言葉  リンク 

Last updated: 2012/11/30

ご意見・ご感想はこちらまで