今日の福音書では、イエスが弟子たちを宣教に派遣する場面が読まれました。イエスは弟子たちを宣教に遣わすにあたり、福音宣教者の心構えを述べています。福音宣教者は言葉で福音を伝えるだけではなく、その行動、生き方をもっても伝えていく必要があります。生き方の証か何よりも大切であることを、イエスは強調しています。
「財布も袋も履物も持っていくな」「家から家へと渡り歩くな」「迎え入れられたら出されるものを食べよ」などと、かなり細かく指示しています。金銭や物に執着せず、常に清貧であることは、福音宣教者に求められるべきことです。今日、新興宗教が増えていますが、それらの宗教が本物かどうかを見分ける大切なポイントがあります。それは、その宗教団体の幹部がどのような生活をしているかです。豪華な邸宅に住み、贅沢な生活をしていたり、人々から法外な金銭を徴収したりしているならば、その宗教は、決して本物とは言えません。どのような生き方をしているかが大切なのです。
地上に宝を蓄えるのではなく、天に宝を蓄えるようにイエスは私たちに勧めています。地上の富に執着せず、私たちにとって最高の宝である永遠の生命をいただくことを心にとめて、人生を歩んでいけるように、ルカ福音記者の取り次ぎを祈りましょう。
鈴木英史
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