今日の喩に無記名の父親が登場します。へりくだってイエスの前に進み出て、息子を解放して下さいと求めています。イエスは「彼をわたしのところに連れて来なさい」と仰せになりました。イエスは、息子の体の病状の原因を見抜かれました。子供は悪魔に取りつかれている事が明らかになりました。悪魔が人間生活に影響を与え続けている事実です。それでイエスは短い祈りを捧げ、権威を持って悪霊を追い出されました。このようにイエスは病で苦しむ息子を完全に癒されたのです。イエスの奇跡は人を神との交わりに招く印です。
では、何故弟子たちは、治す事が出来なかったのでしょうか?彼らの「信仰が薄い」為に、てんかんの子供を癒す事ができないのだと言われました。イエスは弟子たちに、信仰は神からの賜物である事を理解させようとされました。信仰は神に対する人間の応答、つまり信頼の応答ですが、人間の働きではありません。信仰は、人間の働きとは全く異なるレベルの、私たちの生活の中での神の働きです。神の恩恵である信仰によって、私たちは単にイエスに同意するだけでなく、信頼してイエスに従うようになるのです。
信仰の根底には、神様に自分をまかせる信頼があります。イエスは、世界の秩序を変えられます。悪魔を追放し、病を癒し、人を絶望と混乱から救い出されます。イエスは、聖霊を通して私たちの内に住まわれ、働かれます。私たちは信仰によってイエスを知り、イエスに信頼し、イエスとのこの関係は聖書やミサ聖祭と諸秘跡を通して深められます。もしも、心をイエスに開くならば、イエスによって私たちの生き方は変わるでしょう。
Fr.Tadeusz
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