イエスは弟子たちに、「人々が自分のことを何者だと思っているか」とお聞きになりました。弟子たちは思い思いに答えました。そして最後に弟子たちに対して「自分が何者と思うか」と聞かれました。ペトロが弟子たちを代表して、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えました。その後イエスはペトロを、後に誕生することになる教会の頭、礎とすることを宣言されました。
熱しやすい性格のペトロは、このイエスの任命を受けて、その心は大いに高揚したに違いありません。しかしその後で、イエスはご自分の受難の予告をされます。ペトロはそれを強く否定しますが、逆にイエスから「サタン、引き下がれ」という厳しい叱責を受けてしまいます。ペトロの頭にあったのは、イエスを頭とする自分たちの勢力が現世の栄華を手にしていた光景であったと思われます。しかし、イエスの歩む道はそのようなところに向かってはいません。それは、むしろ十字架の道なのです。弟子たちもいずれイエスと同じ道を歩むことになるのですが、今の弟子たちには理解できないことでした。
イエスの歩む道は十字架の道ですが、永遠の生命へとつながる栄光の道でもあります。私たちもこの道をイエスと共に歩んでいきたいと思います。
鈴木英史
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