イエス様は、今日の福音書の中で、ペトロに対して3回「わたしを愛しているか」と問いかけています。この3回の繰り返しの質問に関して、作家の曽野綾子さんが講演会でよく触れている内容を紹介しましょう。
「わたしを愛しているか」という日本語訳からは何の違いも見えないのですが、“愛しているか”と訳されている語は最初の2回はギリシア語のアガパオーが使われ、三度目はフィレオーが使われています。それに対して、ペトロは3回ともフィレオーで答えています。
アガパオーは無償の愛を表し、フィレオーは自然発生的な人情、友情の意味で用いられます。イエスが三度目にアガパオーではなく、フィレオーを使ったのは、フィレオーを繰り返すペトロと同じ次元まで、イエス様が合わせてくださったととらえることができます。
私たちは人間的な愛でしか答えられない弱さを持っています。イエス様はその弱さを受けとめ、私たちを等しいものとなってくださった。そのイエス様の姿に深く感謝を表したいと思います。
M.M.Joseph
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