福音はマルコ福音書の終わりの部分、16:15-20ですが、元来マルコ福音書は16:8で終っており、9節から20節は、内容的には他の3福音書に見られる顕現様式の諸伝承に基いて構成されており、後の時代の書き加えと考えられて居ます。本来のマルコ福音書が唐突な形で終わり、しかも復活のイエスの顕現を記していない事に、初代教会の福音宣教者が問題感じ、他の3福音書を参考にして書きくわえたと考えられます。マルコ自身は復活のイエスの顕現物語を取り入れず、ガリラヤで弟子達と会うと言う天使の告知だけを記した。ガリラヤはイエスが宣教活動をし、弟子達を召し出した場所で、復活のイエスはかっての様に弟子達に会い、「私に付いて来なさい」と呼び掛け、宣教に派遣するであろう。とは言え、復活者イエスが弟子達に世界宣教を命じ、初代教会の目覚しい宣教の様子を伝えて居るのは、マルコ福音書の終わりとして相応しいものです。
飯田徹
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