今日の福音の少し前の6章20節で、主イエスは「わたしだ」と言われます。強い風が吹いて、荒れ狂っているティベリア湖の上で行き悩んでいる弟子たちに、水の上を歩いて主イエスが近づかれ、「わたしだ」と言われた。ギリシア語で「エゴ・エイミ」。英語に直せば、「Iam」です。本来、「わたしだ」という言葉は、その言葉自体では不完全な言葉です。「わたしだ」という言葉が成り立つのは、とても具体的な場所、具体的な状況においてです。であるならば、ここでの「わたしだ」は“わたしがついている”、“わたしがそばにいる”という力強いメッセージと捉えるべきなのでしょう。
「わたしだ」と言われる方が、今日の福音で「わたしはパンだ」と言われました。わたしがパンを与えるとか、パンについて思いをめぐらすとか、パンについて議論しよう、といわれたのではありません。わたしが、あなたがたのいのちを養うパン、わたしそのものを食する者は永遠の命に生きる、と言われたのです。
M.M.Joseph
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