「救いの業に対する聖母の態度」
マリアは、受胎告知から始まった自分の周りに次々に起こる不思議な出来事に対して、いつも「思いめぐらす」という受動的な態度で接する。反抗するわけでもなく、イライラするわけでもなく、投げ出すわけでもなく、飛び上がって喜ぶわけでもなく、静かに落ち着いて思いめぐらしている。
私たちは日常生活の中で、どちらかというと急激な変化を嫌う。突発的な事柄に対して「聞いていない!」とかたくなになることもある。そんなときに聖母の姿は私たちに変化を求める。神の救いの業は、例え預言されていたとはいえ、突然予告もなしに目の前に現れる。不意に目の前に起こった出来事に神のみ旨を見て、「心に納め、思い巡らす」ことが、私たちが世の救いに参加する第一歩ではないだろうか。
Kaus
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