四旬節の第4週から、毎日の福音朗読はヨハネ福音書に変わる。イエスの舞台もガリラヤかエルサレムに移る。第5章は始めに38年間も病気の人の癒し、役人の息子の癒しと二つの癒しの出来事が語られ、人を死から命へと移すイエスの姿が浮き彫りになる。いよいよイエスがご自分の本当の姿を現される時が来たのである。イエスは、ご自分が父なる神と一つであることを「はっきり言っておく」という言葉を使って明言される。この「はっきり言っておく」は、イエスが特別な思いをこめて真理を告げるときに使われる言い回しで、たとえば十字架にかけられた強盗に「あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」と言われたときに、この言葉をお使いになっている。
きょうの福音に「命を与える、命を受ける、永遠の命を得る、死から命へ移る」という言葉が出る。父と一体であるイエスが明かす父の愛と慈しみを受け入れ、信じる者は永遠の命を得る者であることが強調されている。道であるイエスを通って、父の家に帰る、これが人生である。
耿介
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