祭司長、律法学者、長老たちの「何の権威で、このようなことをしているのか。だれが、そうする権威を与えたのか」というイエスさまへの問いからこの箇所が始まっています。このようなことというのは文脈から神殿の境内から商人たちを追い出し、商売することを止めさせたことを意味しています。
神殿でのビジネスを強引に止めさせたときにイエスさまは「神殿は祈りの家」であることを明らかにしました。神さまのことを意識させています。この一連のイエスさまの行為に対して「どのように殺そうかと謀った」とありますので、ユダヤ教のリーダーたちの怒りは普通ではなかったことが想像できます。
怒りに満ちた彼らの心境から最初の質問をみると、「我々に黙ってなぜ勝手なことをするのか」「我々の許可もなく勝手なことをするな」と読み直すことができます。神殿でのビジネスを許可していた以上は当然何らかの収入が神殿側にあったと考えるのが普通で、商人たちとユダヤ教のリーダーたちとのつながりの深さも想像できます。
ユダヤ教のリーダーたちは商売の邪魔をされたことに腹を立ててイエスさまを問い詰めようとしますが、逆にイエスさまに質問されてしまいます。イエスさまの質問の内容はまた神さまを意識させることだけでなく、神さまを軽んじていることをユダヤ教のリーダーたちに諭すものでした。
私たちには神さまのことを忘れ、自分のやっていることを振り返ろうとしない浅薄さがあります。人のためと言いながら自分のために動いていることがあります。自分のことを振り返ることを大切にして神さまに対して他人に対してもっと開かれた者になるように努めましょう。
T.K
|