イエスがエルサレムに入場し、逮捕が迫っている時の出来事だ。このときのイエスの行動は実に預言者的である。
場所は神殿で、登場人物は、イエス、祭司長や長老たち、そして群集の三者である。
群集はイエスの話を聴いている。「神殿(神様の現存)−イエス−群集」というラインがはっきり見えている。
祭司長や長老たちは神殿の権威者としてプライドを持っている人たちだ。しかし現状は、群集がついてきていない。彼らの心は群衆から離れている。しかしそれだけではなく、神様からも離れている。イエスとのかみ合わないやりとりから分かるように、彼らはいつの間にかこの神殿から神様を追いやっているのだ。そこにいるのは自分たちの権威を必死に守ろうとしている孤独な人間の姿だけである。イエスはそれを見事に暴いている。イエスの祭司長たちの聞き返しは実に痛快だ。
イエスは、待降節を過ごしている私たちにも問いかけている。
私たちの生活、私たちの心から神様を追い出していないか?
家族や周りの兄弟姉妹たちの心の叫びに耳を傾けているか?
そして私たちは、神様の現存の中でイエスと共に歩むように呼ばれている。
Tsujiie
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