今日のみ言葉


今日の『み言葉』(聖書朗読箇所)をよく噛んで、ゆっくり味わいながら頂くように致しましょう。
『み言葉』はリンク先「今週の聖書朗読」で読むことが出来ます。
どうぞご利用下さい。

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2013/01/17  聖アントニオ修道院長 記 ヘブライ 3/7-14 マルコ 1/40-45
 
 福音はマルコから「重い皮膚病を患っている人を癒す」です。重い皮膚病と訳されているギリシャ語レプラは70人訳で、ヘブライ語のツァーラートは現代医学で言うハンセン病だけでなく、治療が困難な皮膚病全てを含みます。従ってツァーラートはハンセン病か他の皮膚病かは解りません。いずれにせよツァーラートを患う患者は律法上では不浄の者と見なされ、イスラエルの宿営に住む事は赦されず、誰かが近づいたならば、「私は汚れた者です、汚れた者です」と警告しなければなりませんでした。それ故、この患者がイエスの所へ来たのは律法違反と見られます。しかし、患者の思い切った行為と言葉は、懇願の真剣さと、イエスの力に対する信頼を現します。
 
 「深く哀れんで」の代わりに「怒って」と読む写本が在り、人間存在を損なう悪の力に対するイエスの「怒り」とも言えます。「手を差し伸べて、、、触れる」、此れは奇跡物語にしばしば見られる癒しの所作ですが、この場合律法を無視した行為でも有ります。イエスはレビ記14:2以下の指示に従って社会復帰の手順を踏む事を命じます。この命令は病気が完全に治癒した事を間接的に示しています。汚れた者としてユダヤ教社会から疎外されていたこの男はイエスから口止めされたにも関わらず、「大いにこの出来事:よき知らせを:告げ、言い広め始め」ます。「告げ」と訳されている動詞ケーリュッセインは福音宣教にも用いられている言葉で在り、この男が最初の宣教者となった事が暗示されています。
 
飯田徹
 
 
 

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