羊飼いたちは、「飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子」を探し当て、乳飲み子を見、その「幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせ」る。イエスを目の前にして、これを聞いた人たちの反応はさまざま。「不思議に思った」り、「神をあがめ、賛美しながら帰って」いったり・・・。そんな中で、マリアはこの「出来事をすべて心に納め」、「思い巡らして」いた。
イエスの誕生をお祭として祝って終わりというのではなく、心にとどめて、味わっていく。この世に来てくださったイエスと対話していく。この姿勢がないと私たちは、いつまでたっても、何をやっても、イエスとの関係を深めていくことができない。内的に深まっていくことはできない。クリスマスを祝うこと、イエスの誕生、神の子の誕生を祝うことは大切。しかし、それからがもっと大切。私たちのもとに来てくださったイエスとともに歩むこと。マリアは日常の出来事のうちに神の呼びかけを聴き、神の御言葉を思い巡らす祈りの人だ。今日の福音では、羊飼いたちの話の中に神の計らいを見出している。
私たちも、小さな兄弟たちの言葉の中に、また小さな人々の中に神の計らいを見出していくことが大切。人間の目から見たら小さく見えること、ちっぽけに思えること、それをおろそかにせず、そこに神様の導きを見つけていくこと、これが信仰者の態度。マリアは小さなことに忠実で、神様に信頼して歩んで行った。幼子イエスに神を見出し、神の母としての使命を生きて行った。
新しい年を迎えた今、私たちは原点に立ち返る時にいる。謙虚な気持ちで、神様に信頼して歩んでいく心を新たにしていく時である。
Tsujiie
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