本日、聖フランシスコ・ザビエルの祝日に読まれるのはマルコ福音書の結びである。
「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい」。このことばは宣教地の保護者、また<神のより大いなる栄光のために>というイエズス会のモットーの原点にあるみ言葉といえよう。イエズス会の河野純徳師が訳された『聖フランシスコ・ザビエル書簡集』(平凡社刊)を読むと、インド・マラッカ、日本、そして中国にわたるために上川島で待機中に帰天したザビエルの生涯は、まさに福音を述べ伝えるためにどんな困難も厭わないザビエルの宣教魂を感じさせてくれる。インドからロヨラ総長にあてた次の手紙(「毎日の読書」で読まれる)箇所はとくにそうである。
「彼らをキリストの弟子とするという聖なる奉仕をする人がいないため、この地方には多くの人がキリスト者になれずに放置されています。私は、ヨーロッパの大学へ、特にパリの大学へ、正気をなくした人のように声を張り上げて乗り込んでいこうかという衝動にたびたび駆られます。救いの業の実現のために奉仕しようとするのではなく、ただの学問の研究にのみ終始しているソロボンヌの大学院生に、彼らの怠惰によって、どれほど多くのの人々が天の栄光から除外されるかをとくと語って聞かせたいものです」
M.Joseph
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