今日の福音に描かれているのは、イエスの真の姿を見ることのできない故郷の人たちです。彼らはイエスの言葉を直接聞いていますし、そのわざも見ています。それでもそこに神のわざを見ることができなかったのです。それは目が曇っていたから、別な言い方をすれば、すごく汚れたメガネをかけているような状態でイエスを見ていたからです。イエスを直接見ていた彼らがそこに神様を見ることができなかったということは、直接見ていない私たちは、よほど意識して自分の汚れたメガネを外さなければ、神を見ることも信じることもできないと思います。
偏見、先入観、固定観念、自分の経験を絶対視すること・・・、これらははじめから相手を裁いてしまっているめがねです。それらのめがねを取り外さない限り、私たちはイエスと出会うことができません。逆に言えば、目の前の人と真摯に関わり、相手の身になって思いやりの心を持って接する時、私たちはそこでイエスに出会うことができるのです。こうして私たちは、自分の汚れたメガネをはずしていけばいくほど、イエスの真の姿が見えてきます。
Tsujiie
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