直前の話、嵐の湖(マルコ4:35〜41)で示されたように、湖は悪の象徴です。今日の箇所では、その湖の中に汚れた存在である豚(ユダヤ人にとって)がなだれ込んで溺れ死にます。豚が豚死、失礼、頓死しました。
豚の存在からわかるように、ここはユダヤ人にとって異邦人の地であるデカポリス地方です。イエスの宣教により、異邦の地も清められていく象徴として、この話があるのです。 想像してみると、ややおぞましくもあり滑稽でもある豚事件(豚くん、ごめんね)ですが、表面的な部分に振り回されると、その事件の中心にいるイエスと、彼が行った神の業を見落としてしまいます。この事件をどう見るかによって、イエスに「その地方から出て行ってもらいたい」という人々と同じ態度をとるか、イエスに「一緒に行きたい」と願うこの人のようになるかが分かれます。
YS
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